最終更新日:2017年11月7日

実質賃金

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※資料:厚生労働省「毎月勤労統計調査」

実質賃金の解説

物価を加味した賃金指標

実質賃金とは、物価上昇率を加味した賃金のことです。賃金が前年から5%上がったとしても、物価も前年から5%上がっていたら、買物できるモノの量は前年と変わりません。したがって実質賃金の上昇率はゼロになります。給料がいくら上がっても、物価も同じだけ上がっていたら、実質賃金は上昇せず、生活水準は現状維持となるわけです。

実質賃金の推移は、厚生労働省が実施する「毎月勤労統計調査」で分かります。日本は1990年代前半からデフレが続いているので、物価上昇による実質賃金の下落は考えられません。
(下に続く)

非正規の比率が上昇すると実質賃金は下がる

ただし2回だけ物価上昇による特質すべき実質賃金の下落があります。それは消費税率を3%から5%に引き上げた1997年と2014年です。実質賃金はそれぞれ前年比約2%、3%減少しました。増税するのが景気が加熱している時であれば大丈夫なのでしょうが、景気が悪化しているとき、あるいはちょっと景気が良いくらいで消費税率をアップすると、実質賃金は簡単に下がるようです。

実質賃金の増減は物価以外に、雇用環境の変化も影響します。実質賃金を調査している毎月勤労統計調査では「常用雇用指数」というのも算出していて、これをみるとパートタイム労働者の増加が顕著です。パートタイムは正社員や契約社員ほど給与は高くありません。

実質賃金は、正社員や契約社員、パートタイム労働者を合わせた全労働者を対象にしているため、パートタイム労働者の比率の上昇は、実質賃金の押し下げ要因になります。
(下に続く)

大事なのは上昇・下落ではなくその要因

このため実質賃金の推移は景気の動向と必ずしも一致しません。景気が回復して雇用拡大に向かう初めの一歩はアルバイトの採用になるので、これは実質賃金の低下要因になります。景気上昇段階の初期において実質賃金は低下するとみて良いでしょう。

しかし、パートタイム労働者の比率の上昇が、正社員からの労働移転(つまり正社員の人が解雇されて、その後見つけた職がパートタイムだったというケース)だった場合、これは間違いなく景気の悪化を意味します。

実質賃金から景気動向を分析するとき、その上げ下げではなく、上昇要因あるいは下落要因に目を向ける必要があります。

統計プロフィール

資料
厚生労働省:毎月勤労統計調査
次回公表日
9月分(確報):2017117
9月分(速報):20171122
統計の作成方法
原則として1ヶ月以上働いている雇用者が5人以上いる全国約190万事業所が対象。標本調査の手法を採用しているため、この中から約33,000事業所を抽出して推計している。
公表時期
調査月の翌々月上旬に速報値、同月下旬に確報値を公表。